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STORY-II


物話「7日間の新しい世界」後編より



Mystery Puzzle


突如見知らぬ案内人 Aという人物から
王女に招待状が届いた。誰にも媚びず
口調はとても堅苦しい、少し失礼な態度を
とる人物であったが、このバズルの謎を
解き明かす鍵を知る重要人物であったため
多少の無礼は大目に見ることになった。

王女の私生活を掲載していた書に
突如登場した案内人 A。
謎パズル"Mystery Puzzle"を始動し
王女の情報は黒いベールで覆われてしまい
読者にパズルを解いてもらわないと
事が進まなくなった。

"Mystery Puzzle"とは

『天地の図』と『36枚の謎写真』
『創造の間』の三つで構成された
奇妙なパズル。

七つのキーワードが隠されていた。

天地の図

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36枚の謎写真

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創造の間




七つのキーワード


三つのパズルに散りばめられた七つの
キーワード。
現在わかっていることはそのキーワードと
アルバムに強い関連性があるということだった。



中秋の名月


中秋の名月にキーワードが回収され、
満月迄の二日間パズルを解いた英雄を
特別な場所へ案内人Aが御招待した。

"英雄の誕生"

記念すべき日であった。



アルバム


王女は7日間の新しい世界を最後の力で作り上げた。
人々は一週間をその7日間に置き換え、常に
新しい自分の世界を創っていったという。
また、その音楽は細胞へ語り継がれ
ひらめきや行動力となり、それがまた新たな人を
感動させ人々を喜ばす連鎖へと変わっていった。


30人の英雄


英雄の証としてアルバムのブックレットに
名が刻まれることになった。
しかし、名を刻む儀式を終えた英雄は
全員で25人であった。
その他にアルバム制作時の機密性の高い映像集や
記念品がアルバム制作後に贈呈された。

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音楽の創造


王女の創造する力は無惨にも
尽きてしまった。
原因がどこにあるのか、
何かを忘れてしまっている、
それが何なのかわからない
という感覚に悩み苦しんだ。

このまま元に戻らなかったら
音楽のない世界へ行こう
と思い始めていた。



王女の忘れ物


王女は音楽を創造する力が、
回復することはなかった。
しかし、忘れている何かには
ある程度検討がついていた。

いつの間にか
忘れてしまっていた。

音楽の精霊・・・。




王女の探し物


いつから精霊がいなくなって
しまったのか、記憶を辿っていた王女は、
闇世界にいる時の記憶を細かく思い出していた。
音楽に夢中になっている時ほど、
王女は忘れてしまう事が多いとわかっていたからだ。

ばあやと住んでいた城を取り壊した。
あの時期ではないか・・・。

と思考を凝らした。
そして、王女は休息の間に、
城の跡地へ行くことを決心した。



音楽の精霊



ばあやと住んでいた跡地は
全て取り壊され、自然に囲まれた
広い緑の大地となっていた。
そこにはばらばらに砕かれた
木のくずが落ちていた。
王女は幼い頃に使っていた茶色の
ピアノの木の破片だとすぐに気づいた。

「そうかあの精霊は・・・」

と王女は静かにつぶやいた。

きっとあの精霊は
音楽の精霊ではなかった、
この木の精霊だったんだ。
私をずっと見守ってくれていた。
忘れていてごめんなさい。

と王女は心の中で強く祈った。

その気持ちと共に
何か懐かしい感情が
王女の体に流れてきた。


「そうか・・・ありがとう、
あの湖だ・・・。」



その後、
王女に音楽を創造する力が
戻ったのかは、誰も知らない。
わかることといえば、
王女はその木の破片に
自分の名を刻んで
ペンダントにしていた、
ということだけだ。


その木には

" Aiko C M Ohi "

そう刻まれていた。






[終]




※この物話はフィクションです。
長い間お付き合いいただき、誠にありがとうございました。